鉄道を愛するおじさんの戯言

鉄道模型のNゲージに関する情報を、独自視点を交えてお伝えしていきます。

山陽本線 広島地区 ダイヤ改正後も快速列車は復活せず 利用客には不満も?

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豪雨災害からの復旧

昨年の7月、大雨によって引き起こされた災害。呉線芸備線福塩線木次線はおろか、山陽本線までもが大きな被害にあってしまいました。あれから8か月が経ちましたが 、まだまだ災害の傷跡はあちらこちらに残っています。

芸備線では、流された橋梁を作り直している途中で、全線復旧までにはまだしばらく時間がかかります。その他の線区では、全線で運転はしているものの、3月16日のダイヤ改正までは、列車運転本数を通常よりも1割程度減らして、被害があった区域では徐行運転を行うなど、その影響は色濃く残っています。

ただ、今週の土曜日に実施されるダイヤ改正で、山陽本線では運転本数が元に戻ると同時に、徐行運転も終了するようです。やっとここまで来ました。


 

新型電車投入で広がる憶測

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そしてもう一つ、今回のダイヤ改正では広島地区を走る電車が 227系 に統一され、国鉄時代から走り続けてきた 115系105系 が引退することになっています。 227系 の投入が始まって以降、 115系105系 は数を徐々に減らしてきており、すでに解体されてしまった車両も多くあります。新旧の車両がともに走ってきましたが、次の土曜日からは新型のみになってしまいます。

ここでひとつ、気になる話が出てきています。新型の電車は一編成あたり3両と2両のものがありますが、これまで走っていた電車はほとんどのものが4両でした。これによって、これまで走っていた電車よりも各電車の車両の数が減り、一列車に乗れる乗客の数も減ってしまうため、込み合う電車が増えるのではないかという心配です。

まだ、新ダイヤでの運転が始まっていないので分かりませんが、一部の乗客からはそのようなことを心配する声が上がっています。果たしてどうなのでしょうか?

心配する声にも納得できる?

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2015年から順次投入された新型の 227系 電車は、全部で270両を超えています。一方、新型電車が投入される前の、2014年時点での広島への電車の配置車両数は190両程度でした。当時と比べると80両程度増えていることになります。

この頃までは、広島の車両が西は新山口や下関、東は岡山や相生あたりまで足を延ばしていましたが、代わりに同じ型の下関の車両や岡山の車両が広島までやってきて走っていたので、数の不足ということは特にありませんでした。

しかし、今回投入された 227系 電車は、広島地区のみで運用することを考慮されて作られたもので、運用範囲も広島を中心にして西は岩国(一部徳山)まで、東は糸崎(一部福山)までと決められています。それ以外の地域では、これまで通り国鉄時代の車両が走り、それらの旧型車両が広島地区へ入線することもありません。

この新たな決まりごとには、呉線可部線の電車も入ってくるのですが、この状況を考えると今の数では「車両が足りない」となるらしいのです。果たして、本当に車両が足りなくなるのでしょうか?


 

車両の数が増えて編成数もほぼ倍に?

新型車で運転する路線の範囲は、以前の車両よりも狭くなっています。この運用範囲が狭まったということと、車両数が増えているということを合わせて考えると、車両が不足するということは考えられないようにも思えます。

確かに、一編成当たりの両数は減っていますが、大元の車両数が約1.4倍増えており、その分編成数も約2倍に増えているわけですから、以前の国鉄型の電車よりはより柔軟に運用できるのではないかと考えらえます。

現在も、可部線呉線の三原~広間では2両編成で走っている車両がほとんどです。山陽本線を走る電車も、日中は3両編成でもほとんどガラガラで、混み合うのは海田市~五日市間くらいのものです。このような状況から考えても、ある程度これで足りるのではなかと思えてきます。

今まで、4両編成の電車を2編成連結した8両編成だった電車が、3両編成を2本連結した6両編成になるということがあるかもしれません。4両編成だったものが3両編成になったということもあるでしょう。ですが、その列車が混み合う区間は非常に限られているというのも事実です。

227系 が走り始めたころ、おっさんもぎゅうぎゅう詰めに合う体験をしました。宮島口駅から広島駅まで乗った電車は 227系 の3両編成でしたが、五日市駅から車内が混み合い始めて、西広島駅では車内の様子を見て乗るのをあきらめる人がちらほら、新白島駅ではどう考えても乗れそうにない感じでした。

そのころから、3両では乗客が乗り切れないという話題は時折出ていましたが、そのようなことが今も続いているのでしょうか?

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広島の利用客の現状
8両編成の電車で見てみると、西は岩国駅まで、日中でも座席がほぼ埋まるくらいの乗車があります。しかし、東は西条・西高屋までで乗客ほぼいなくなります。となると、運行者としては、乗客の数に合わせて三原方面へ向かう電車は短くしたいのが本音です。ガラガラの電車を運転する必要はないですから。

長い編成の電車は白市で折り返しにして、短い電車のみが東進するというダイヤです。長い編成の電車と短い編成の電車は混雑する区間でも同じように走ります。短い編成の電車は混雑区間は止まりませんというわけにはいきません。

なので短い編成の電車は、混雑区間では超満員電車になってしまうことになります。これが今言われている、「車両が足りない」の一つの原因かと思われます。混雑がひどくなって乗れないからです。

すべての電車を長い編成にすればよいのですが、そうすると電車の数には限りがあるので運転本数が減ってしまうことになります。では、運転本数を減らさずに編成を長くするにはどうするか?

一番手っ取り早いのは、白市駅と五日市駅を改良して、それぞれの駅で増解結ができるようなホームを作る方法ではないでしょうか。車両の運用効率も上がりますし、ガラガラの電車を走らせる必要もなくなります。

白市駅、五日市駅はともに貨物列車の退避がなく、中線は折り返し電車が専用で使っています。この線へ両方から進入でき、両方へ出発できるようにするだけで、かなり車両には余裕が出てくると思います。ラッシュ時は、白市~五日市間を走る列車はすべて8両にするとか、少なくとも6両編成にするとかという決まりごとが作れると思います。


 

増解結と折り返し運転の合わせ技

このご時世、なかなか設備改良にお金を回せないかもしれませんが、車両を追加するよりは安くつくと思うので、自治体と協力して駅の改良工事を進めていただきたいと思います。

たとえば、広島方面から来た6両編成の電車が、白市駅で3両を分割し前の3両はそのまま三原へ、後ろの3両は三原方面から来た3両の下り電車と再び併結して折り返す。せっかく増解結のしやすい車両になったのですから、有効に活用して運用効率を上げていただきたいと思います。

貫通扉は使わなくても大丈夫です。近年、115系の併結時は全く使ってなかったのですから、広島の人は慣れていると思います。あとは、編成ごとに行先だけきっちり表示されていれば良いかと。

ラッシュ時に広島エリアで混みあう電車がすべて8両、ないしは6両になっていればかなり混雑緩和に役立つと思います。本数を増やすよりもいいと思います。

新快速で実施されているこの技、広島地区でも実施して大いに 227系 の本領を発揮していただきたいと思います。何のための電気連結器か、短い編成の電車なのかを考えていただきたい。

白市駅と五日市駅に、増解結のための人員を新たに配置することになるので、コストがかかるからできないといわれるかもしれませんね。ですが、車両を新造追加し、その追加した車両の運転士を増やすことを考えれば、こちらの方法のほうがはるかにコストはかからないです。

ぜひとも、 227系 が嫌われないように、利用者の不安を払拭する、よりよい改善策を実施していただきたいものです。

頑張ってね、JR西日本・広島支社さん。

BY テツまん吾郎

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